病気の治療方法と手術体験談
投稿日:
転院先のTクリニックで、慢性前立腺炎の解説資料「慢性前立腺炎とは…」をいただいた。
資料:産業医科大学医学部泌尿器科教授 松本哲郎先生
慢性前立腺炎は、前立腺がんなどと異なり命に関わるような病気ではありません。 しかし治りにくい病気であることも事実で、治療が長期にわたったり、再発するケースもしばしばみられます。
治療に関しては、原因がさまざまなため、患者さん一人ひとりの様態や治療の経過・効果を見ながら、最も合う治療法を探していきます。 正しい知識を身につけ、不安や疑問を解消しましょう!
前立腺炎とは、下腹部にさまざまな鈍い痛み、あるいは不快感が現れる病気です。 30~50歳代の男性によくみられ、日本でも年間60万~100万人の患者さんがいると推定されます。
前立腺炎は、急性か慢性か、また細菌や炎症の有無などにより以下のタイプに分類できます。
1. 急性細菌性前立腺炎
2. 慢性細菌性前立腺炎
3. 慢性前立腺炎(慢性骨盤内疼痛症候群)
-A 炎症性 慢性骨盤内疼痛症候群
-B 非炎症 性慢性骨盤内疼痛症候群
4. 無症候性炎症性前立腺炎
○慢性細菌性前立腺炎
原因となる菌では大腸菌が多いのですが、他の細菌も検出されることがあります。
○慢性前立腺炎(慢性骨盤内疼痛症候群)
炎症性 慢性骨盤内疼痛症候群
非炎症性 慢性骨盤内疼痛症候群
原因不明のものが多いのですが、通常の検査では見つかりにくい菌(クラミジアやマイコプラズマなどが)原因になるものもあります(炎症性)。 他にも前立腺肥大などによる排尿困難、骨盤内の血行不良、冷えやアレルギーなどさまざまな原因が考えられ、さらに精神的な要因も加わることもあります(炎症性、非炎症性)。
いずれにせよ、体力の消耗時(ストレス、不眠、過度の飲酒)や長時間椅子に座っている人(長距離ドライバーなど)がかかりやすいともいわれています。
下腹部のさまざまな不快感・鈍い痛みが続きます。
こんな症状があると前立腺炎が疑われます
慢性前立腺炎は症状がスッキリと取れにくいのが特徴ですが、悪性の病気ではないので心配しないでください。
慢性前立腺炎の診断
直腸診や前立腺マッサージ後の尿検査で診断
慢性前立腺炎は症状だけで正確な診断や分類はできません。 また通常の尿検査や血液検査では異常が認められないことも多くあります。 そのため以下の方法で診断や分類を行います。
○直腸診
直腸診(肛門から指を入れて、前立腺の状態を調べる方法)を行うと、前立腺全体に軽い圧痛を感じる場合が多くあります。
○前立腺マッサージ後に尿検査
前立腺をマッサージした後、尿を顕微鏡で検査し、白血球数や細菌の有無、種類を調べます。
- | 白血球異常数 | 細菌 |
慢性細菌性前立腺炎 | あり | あり |
炎症性 慢性骨盤内疼痛症候群 | あり | なし |
非炎症性 慢性骨盤内疼痛症候群 | なし | なし |
※前立腺がんとの区別をつけるためPSA(前立腺特異抗原)の血液検査を行うことがあります。
慢性前立腺炎の主な治療法
○慢性細菌性前立腺炎
内服薬による抗菌薬治療を4~6週間程度続けます。
○炎症性 慢性骨盤内疼痛症候群
細菌性の可能性も残されていることから、まず2~4週間程度抗菌薬による治療を行います。
また水分を多くとり、飲酒を避けるなどセルフケアも大切です。
○非炎症性 慢性骨盤内疼痛症候群
原因を考慮し、以下のようにそれぞれに適した治療法が選択されます。
1. 骨盤内の血の巡りが悪いと考えらえる患者さん
漢方薬などを投与したり、血の巡りをよくするため、前立腺のマッサージ、温熱療法などが行われます。
また適度な運動や骨盤を冷やさない工夫などセルフケアも大切です。
2. 尿流測定によ異常を認め、排尿困難が疑われる患者さん
排尿困難の原因に応じて、前立腺肥大症治療薬を投与したり、手術が行われることがあります。
3. それ以外の患者さん
その他、前立腺の結石や心因性である可能性がありますが、原因も病態も不明な点が多いため、あなたに合うお薬を探したり、マッサージやカウンセリングを行います。
疲労や飲酒、精神的なストレスも影響します。
心にゆとりを持ち、からだに無理をさせないことが大切です!
解説資料と照らし合わせ、私の過去の生活態度を振り返ってみると、前立腺炎になるべくしてなったような生活をしていた。 便が出にくかったのも、前立腺に炎症が起こり肥大化した結果、直腸を圧迫していたせいかもしれない。 薬による治療だけに頼るのではなく、日常生活態度を改めることが大事なのだろう。